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 建築写真 撮影の基本

初級〜中級 住宅写真の撮り方 



シャッタースピードと絞り
写真失敗で意外と多いのが、カメラブレ。手持ちでは、60分の1秒以上で切ろう。30分の1秒とか15分の1秒の場合は、カメラをしっかり構えてゆっくりシャッターボタンを押す。カメラ背面のモニターではブレをなかなか確認できない。ブレそうな場合は、同じカットを何枚も撮る。体や腕を壁などにつけて撮ると、ブレは減る。カメラを壁や柱などに付けると、なおいい。
遅いシャッタースピードのときは、なんといっても三脚だ。この場合、念には念を入れてレリーズを使おう。指で押すと物理的な力が加わり、カメラが微妙に動くためだ。レリーズがなかったら、セルフタイマーを使うのも一案。

ISO感度は、あくまでも画質優先。100とか200に設定するのが基本だ。とはいっても、手持ちの場合はカメラブレが心配。明るさに応じて、400とか560でもOK。場合によっては、IS0感度を800とか1600に上げることもアリ。ISO200で15分の1秒というシャッタースピードなら、ISO1600では125分の1秒で切れることになる。手持ち撮影の場合、この差は実に大きい。
最近のカメラは、高感度にやたら強い。カメラによっては、ISO3200でもきれいな絵が撮れるぞ。ISO6400でもいけそう。web上だけで使うんなら、ISO12800でも大丈夫かも。とはいっても、三脚使用なら、わざわざISO感度を上げる必要はない。感度は低く設定するのが、あくまでも基本。感度は上げるのは、それなりの事情があるときだ。
しかし三脚の使えないような位置から撮る場合、ISO1600とか3200というのはまさに神の助け。身を乗り出して撮ったり、片手で撮ったり、とにかくフィルムではまず撮れなかったアングルでも今では撮れてしまう。いやあ、便利になったものだ。

普通
レンズの絞りを開放で撮影することはない。レンズの解像力やコントラストが低く、被写界深度が浅いためだ。極端に絞り込むと、逆にレンズ性能が落ちるが。
建築写真は、パンフォーカスが基本。焦点距離にもよるが、f11からf22ぐらいかな。おれの場合、絞りはf16を基準としている。

「絞り優先オート」で撮影しているが、もちろんモニターを見ながら補正する。注意点は、露出オーバーにならないこと。といっても、適性露出かどうかは3インチくらいのモニターを見てもなかなかわからない。本来はヒストグラフで確認するのだが、実に面倒。ズボラなおれは、あまりしない。なら、どうするか。ポジフィルムのように、同じカットを露出を3段階に変えて撮影している。どのカットを使うかは、後でPCのモニターで判断する。露出補正ステップは3分の1が基本だが、2分の1でも全然問題なし。
RAWで撮影し、後で露出補正する方法もある。とはいっても、適正露出は基本中の基本。



ピント
10mmとか14mmという超広角レンズは、被写体深度がメチャクチャ深い。望遠レンズのようなシビアなピント合わせは不要。おれの場合、ピントは目測。レンズのピントリングの距離目盛りを見ながら適当に合わせる。もちろん、オートフォーカスは解除し、マニュアル設定。また、ピントを合わせてから、ピントリングが動かないようにテープで固定することも。これは、夜間撮影なんかでのテクニック。

被写体深度がメチャクチャ深いと、ピントがどうしてもいい加減になる。ときどきピント合わせを忘れ、極端な前ピンのまま撮り続けることもある。気をつけないとね。3インチくらいのモニターでは、ピントを確認できないぞ。

建築写真は絞り込んだ
パンフォーカスが基本だが、そればかりだと芸がない。ときに絞りを開け、前か後ろをぼかして撮ろう。こういう写真が撮れるようになれば、セミプロだ。ただ、開放だと極端に画質が落ちるレンズがあるので、要注意。



ホワイトバランス
Kodak
GretagMacbeth
デジタルで苦労するのが、ホワイトバランス。オートAWもいいでうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。とにかく腹が立つほどむずかしい。

ホワイトバランスの設定には、いろんな方法がある。グレーかホワイトの板(紙)を写し込んで設定するやり方もあるが、おれはケンコーのデジタルホワイトバランスセッターを使っている。この製品はレンズの前面にワンタッチで取り付け、ホワイトバランスをプリセットで設定するもの。これもうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。ExpoDiskのホワイトバランスフィルターも同様な製品。

後で色をチェックしたい場合、ずっと以前はKodakのスケールを使っていた。今はGretagMacbethのカラーチャートを使っている。ただ、いくら万全を期しても、ディスプレイやプリンタなどのデジタル機器は、同じ色を同じように発色できるとは限らない。ここでICCプロファイルとかキャリブレータツールという言葉が出てくるのだが、むずかしいのでここでは省略。

家の中というのは、外光はちろんのこと、照明の色、床壁天井の反射光などがあり、例外なくミックス光。照明もすべて統一されていることはまれで、白熱灯、電球色の蛍光灯、白色の蛍光灯など、とにかくいろいろ。デジタルホワイトバランスセッターしろグレースケールにしろ、部屋のどこで測定するかによって大きく変ってくる。とにかく苦労する。

色の具合は、PCでかなり補正できるとはいえ、正確な色で撮影するのは基本中の基本。画像処理で手を加えれば加えるほど、画像は劣化するからだ。

おれはRAW+JPEGで撮影することが少なくない。RAWはCaptureNX2で露出・色・コントラストなどを調整し、Photoshopで仕上げている。RAWだと、カメラ設定を後で変えられるのでとても便利。たとえば
グレーポイントの設定」にし、写真の中でグレーであるはずの箇所をクリックすると、そのグレーを基準にして色を補正してくれる。もちろん、さらに細かな補正は不可欠なのだが。露出補正という点でも、RAWはかなり有利。ある意味、RAWでの撮影は初心者にピッタンコなのだ。



水平垂直
メラにレベル(水準器)を取り付け、可能ならファインダースクリーン格子のものにする。とはいっても、小さな水準器はあくまでも目安。水平垂直の微調整は、PCで行う。

カメラを水平垂直に置くのが基本だが、たとえば外観を撮る場合などはカメラを上向きにせざるを得ない。上向きにすると垂直線がくずれ、上の方がすぼむ感じになる。そのくずれは
Photoshopなどの画像処理ソフトで修正する。このPC作業はごくごく簡単なもの(画像処理のページを参照)。ただ、「変形」の画像処理をすると、写真の縦横の比率が変ってくるので要注意。