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 居間・食堂・台所 1

初級〜中級 住宅写真の撮り方 



どちらかはではなく、AとBの両方が必要だ。Aは、もちろん障子の美しさ。床の反射もなかなかいい。Bは、大きな開口部と庭の眺望がポイント。障子の場合、庭がある場合は、開閉の2パーターンを必ず撮ることにしている。下の写真も、その例。



岐阜県の山荘。室内の照明を消し、逆光で撮影。広い部屋の一部を切り取ったカットだが、この2枚が一番この部屋らしかった。
どう撮ろうかと考える作業は、パズルを解くのに似ている。答えがすぐひらめくこともあれば、なかなか見つからないこともある。答えが出たとしても、果たしてそれが本当に正解なのか。
ひとりで撮影する場合などは、ぶつぶつ独り言。高いかなあ。よくねえなあ。どうしよう。だめだなあ、という風。自問自答というよりは、不平不満という感じ。そのぶつぶつが、年とともにだんだん多くなったような気が。



この手のカットは、超広角で撮らないことがコツ。超広角レンズだと、手前のテーブルだけがバカでかく写るからだ。引きがあったら、標準に近いレンズで撮る。絞りを開けて、庭にピントを合わせてもいい。逆にテーブルの花かコーヒーカップにピントを合わせてもいい。望遠気味のレンズで撮れば、イメージ写真として使える。

そのカットにふさわしい焦点距離を選ぶべきだ。これがむずかしい。気がつくと、超広角の固定焦点レンズとして使っているんだよね。バカの一つ覚えのように。反省しなくては。





横位置と縦位置とでは、同じ部屋でもかなり印象が違う。Aは横の広がりだけでなく、開口部が大きいので部屋が明るい印象を受ける。Bは吹き抜けの高さ感だけでなく、奥行き感も出ている。どちらがいいかという問題ではないが、どちらか1枚と言われたら、やはりBだろうか。
迷っても迷わなくても、縦と横の両方の写真を撮ろう。縦はいらないなと思っても、とりあえず縦も撮ってみよう。カメラの高さもしかり。高低の両方を撮ってみよう。



フィルム時代ならハスキーハイボーイ(三脚)を立てるだろうが、これが大変。三脚というのは、足を伸ばせば伸ばすほど足が広がる。狭いところでは三脚を立てにくい。さらに自分が立つ椅子や脚立を置くスペースも必要だ。しかしデジタルなら、手持ちで撮れる。手持ちなら、カメラアングルも自由自在。しかもスピーディ。まったくにもって言うことなし。
手持ちで撮れるということより、もっともっといいことはストロが簡単に使えるということ。光の回り方や強さがモニターでチェックできからだ。肉眼ではストロボの具合をチェックできないので、昔ならポラを切ることになる。あるいは露出計で何カ所も何カ所も何度も何度も計ることになる。実に実に面倒だった。



マンションのモデルルーム。開口部は南側だけ。こういう逆光の部屋は撮りにくい。Aは、ストロボを2灯使っている。Bは外光を気にせず撮れるが、照明器具ごとに明るさが違うので苦労する。



この写真も夕方(日没後)撮影したもの。部屋の照明のみで、ライティングはしていない。ストロボで日中撮れないこともないが、庭の雰囲気も違うし、室内の明暗がどうしても不自然になってしまう。こういうカットは、手間だが、夕方撮影したほうが簡単だ。



Aは、一般的なカメラの高さ。写真としてはいいのだが、台所の様子が説明不足。一通り撮影したら、ハイアングルも1枚撮ろう。できるだけ高い位置から撮るのがポイント。人間の目の高さぐらいでは、中途半端で不自然。



ハウスメーカーの展示場。性質上、やたら照明器具が多い。撮影では、すべて点灯する必要はない。が、どこを点けてどこを消すかは、いつも悩むところ。照明器具には、白熱灯や蛍光灯などの種類があり、実にややっこしい。とくに蛍光灯は、白色、昼光色、電球色などの種類が多く、とてもやっかい。なかでも電球色の蛍光灯は黄色が強く、補正がむずかしい。
この展示場は、4×5ポジとデジタルで撮影。蛍光灯の補正がめんどうなんで、撮影前にほとんどの蛍光灯を白熱灯に付け替えた。
おれの車には、いつも各種の電球をたくさん(100コ以上)積んでいる。電球に限らない。花瓶、一輪挿し、掛け軸、香炉などの小道具も常に持って行く。生け花の心得はまったくないが、その辺の野草を見つけてきては、いいかげんに生けるのが特技。二流写真屋のなせる技だ。



外観の次に気を配るのが、やはりリビング。上のような変形の空間の場合、どう撮るか、正直悩んでしまう。で、アングルを変え、時間を変え、とにかくいろいろ撮ってみる。どれがいいかは、後の話。
データの場合は、ヒドイものは別として、撮ったもののほとんどを納品している。プリントの場合は、撮ったもの(CDとインデックス)を納品して、どれとどれをプリントするかを決めてもらっている。アルバムにまとめる場合は、並べる順番や部屋名なども決めてもらっている。



人入りの写真。2カットとも雑誌用。顔出しがイヤな場合は、後ろ姿や人物をぶらしてもいい。



強く差し込んだ光は、普通は困りもの邪魔ものなのだが、うまく使うといい写真が撮れる。Aも、そういう例。差し込んだ光は苦にならないばかりか、大きな窓を強調している。それにメリハリがあって、シャープな印象を受ける。
光が強すぎて日中どうしても撮れない場合は、Bのように夕方撮るという手もある。天候に左右されないが、どんどん暗くなるので忙しい。